捏造もどきなこと

ネズミの骨髄の幹細胞から、多くの臓器になりえる「万能細胞」を作り出した、とする
02年6月の米ミネソタ大の研究者の論文について、「重大な不備」があるとの結論を
同大がまとめた。とのことだ。
http://www.asahi.com/science/news/TKY200702250079.html
この報告で、「捏造(ねつぞう)ではなくミスだ」としている。とのことだ。
しかし記事にある 同博士が別の論文に使った別の細胞の研究データと同じものが
論文中にあるというのは、それだけでアウトだろう。いわゆるデータのコピペ。
しかも実験が違うはずなのにデータが同じなのだからおかしな話だ。捏造しても、
勘違い、単なる間違いという言い逃れは考えても見ればできうることだ。
確かに間違いはいくらでもすることだ。しかし、レベルの高い反響の大きい論文誌に
なればなるほど、ここら辺には細心の注意をはかる必要がある。
初めから理路整然と仕事が進んでいれば、こんなことは起こりえない。こういう捏造
疑惑のある研究室というのは、色々な意味で混沌とドタバタした中で研究をおこなって
いるのだろう。切磋琢磨することは重要であるが、結局あることろでドロップアウト
する人が出てくるのは当然だ。そういう人が一発逆転で捏造するような環境があっては
ならない。難しい問題だ。


ところで捏造関連では例のあるある大事典の件。結局、自分が期待する方向にマスコミは
進んでない。関西テレビは実際番組を作成した下請けに対し、告発だとか。視聴率の
圧力をかけた自分たちに対する問題点を見つめ直すという考えはないようだ。


毎朝、通勤時に聞いているラジオ番組。あるあるの件を例えながら、この話は捏造では
ありませんよ。と念を押すように司会者が言っているのだが、話そのものがエセ科学
捏造かどうかではなく科学的な根拠が十分ある話なのかと言うことが重要なのだ。
○○大学の先生とか○○病院医師が言っているということだけが、「正しい」ことと
いう論証になってしまっている。単にその人が信じている1仮説に過ぎないのに。
結局、捏造かどうかは関係なく、あるある大辞典の持っていた問題点と同じなのだが、
このラジオ番組の作成者も解説している司会者も、アシスタントもこのことに気づいて
いないようなのだ。