豚インフルエンザその後

新型インフルエンザについてはインフルエンザ全体に対してもっと情報が必要に感じる。
むろん、自分が言っているのは一般向けの手洗いうがいをしましょうと言った、
ほんとにどの程度効果があるのか、疑問を感じるようなものではなく、ちゃんと
科学的根拠のある話だ。
まず、毒性の強毒性と弱毒性は何によって決まっているのか。
それがどこまで判明しているのか。
ヒトへの感染性に関与している遺伝子の配列のどこらへんが重要なのか。
それがどこまで判明しているのか。
ワクチンの有効無効は配列のどの部分で決まるのか。もっと汎用的なワクチンは作れないのか。
感染が成立した後、細胞間の移行などはどのように進んでいくのか。それを阻止する
方法はないのか。
他にも様々な疑問があるが、とりあえず以前から分からないことである。


とりあえず、この豚インフルエンザのゲノム配列が公開されたようだ。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/FLU/SwineFlu.html
インフルエンザは8個の遺伝子からなり、そのうち2つは選択的スプライシングにより
2つのタンパク質をコードするので、合計10個のタンパク質を作成する。
ここに出ているのはメキシコで広がっているヒトーヒト間の感染性を持っているものとは
異なるようだが、どの変異でヒトーヒト間の感染性を獲得したのか、
また、死者の多いメキシコのゲノムタイプと死者が出ていないとされる他の地区の
ゲノムタイプが異なっているかどうかが、明らかになってくるのだろう。


またこの豚インフルエンザと、H5N1型の鳥インフルエンザが混ざり、強毒性を
増す懸念がある。それが起こりやすいかどうかも配列から、ある程度予測が
可能になるものなのかどうか。そこらへんに注目している。