森口問題

iPSが実施されていたというニュースが出た時、そんな馬鹿なと思った。
実用化はまだまだ先の話で、山中氏自身も記者会見でそう言っていたのを多くの
国民やそして記者も聞いたはずだ。
それが全く関係のない人から出てくる。本来、そんなはずはないと思うのが普通だろう。


始まりは読売新聞らしいが、完全にこの記者がサイエンスの状況を分かっていなかった
というのが結論だろう。山中氏のノーベル賞に便乗したネタでスクープ!と思ったのだろうか。
しかし、サイエンスの成果にスクープはない。事実を正確に分かりやすく報告するのが、
マスコミの役割だ。報告するのは事実しかない。その事実がほんとに事実かどうかを
ちゃんと検証してから報道するのが、マスコミの役割なのに、これをサボったツケは
大きい。マスコミは今回の誤報に対し、訂正とお詫びという形で対処しているが、
もっともっと大きく反省しなくてはいけない懸案だろうと思う。


もう森口氏を追う必要は全くない。どこの学会でもちょっと頭がおかしい人はいる。
学会参加や発表などには審査はなく、だれでも好きなことを発表することは可能だ。
今回の問題はあり得ないことをあり得ないと分からなかった、読売記者のサイエンス
リテラシーの低さを露呈したということだろう。
博士号を取っても職にあぶれる人が多くいる。マスコミはもっとこういう人らを
雇い、ちゃんとサイエンスを理解して記事にすべきではないだろうか。