風評被害

興味も読んだこともないが、漫画「美味しんぼ」の福島の描写が風評被害を生じ
させるとして、批判が相次ぎ連載が休止になるとか。
別に漫画なんだからフィクションとしておけば、現実と違っていても何も問題ない。
極論、主人公が福島県に入ったとたん吐血して痙攣を起こしてそのまま目を開いたまま
死んで、放射線被曝のせいだ。と、近くを通りかかった人が言ったとしても、
何も問題はないだろう。
結局のところ、放射線被爆に対する懸念があるから、これはまずいと思う人がいるわけで
風評被害でも何でもない。
そもそも福島県が他の地域に比較して、放射線量が高いのは事実であり、それが国が
定めたレベルを下回っていようが、放射線の影響は低いところよりはあるわけで、
たとえ統計学的に有意差がなくても、危険率が高くなっていることは違いない。
今後、福島県民の癌などの発生率が上昇するだろうが、おそらく有意差が出るまでは
至らないだろう。むろんそんな調査結果が安部政権下で公表されるかは疑問だが。


風評被害を思いっきり被って、もう原発はこりごりと多くの国民が思えば、誰しもが
ノーモア福島となり、国や電力会社がいくら原子力発電所の再稼働を目指しても、
受け入れる自治体はないだろう。そうなるのが理想なのだから、この美味しんぼ問題での
風評被害はどんどん広げるべきだった。


フィクションと現実の区別という意味ではレイチェル・カーソン沈黙の春なんかも
十分アウトだと思うが。