取り下げとなった五輪エンブレム

ここ数週間ネット上で話題になり続けた、五輪エンブレム問題。
結局、先週末に大会組織委員会が行った会見で、佐野氏の当初作品はベルギーの劇場の
ロゴとは似てなかったと言うフォローが帰って仇となった。
当初作品が出て、これがヤン・チヒョルト氏のものと類似していることが分かり、
さらに佐野氏自身がこのヤン・チヒョルト展に参加し、かつ感銘を受けていたことが
ツィッターの証拠まで残っていた。
トートバック問題などこれまでの展開を見れば、当然、それを模造して五輪エンブレムを
作成したのだろうという推測は誰もがするだろう。
先週の会見でも多く質問が出たが、そもそも何故そんな類似なものが選考落ちに
ならなかったのかが一番疑問。やはり営業力やコネクションがある人間が、そういう
力でのし上がった感が否めなかった。


さらに極めつけはパクリが疑われている中での、展開例のプレゼン図がまたパクリで
あったというところ。結局、佐野氏は過去の仕事のやり方として、個々のイラストで
これは使えると思ったものをネット上を含め、随所から集め、それを参照しながら
自分のアイデアや理由付けをしていくというものだったのだろう。それがだんだんと
神経が麻痺し、どれが自分の作図でどれがパックったものか本人も不明確になってきて
しまっていたのだろう。
いずれにせよ、この件は取り下げで一件落着1件落着か。ベルギー劇場ロゴのデザイナーは
パクリを認めない限り裁判の取り下げはしないと言っているようだが、裁判でこの件が
直接パクリ認定されることはないだろう、あくまで職業倫理の問題だ。