セクハラ

留学生へのセクハラを理由に停職3カ月の処分を受け、その後も約3年間、授業を停止された
お茶の水女子大大学院の男性教授(58)が、処分取り消しと慰謝料1000万円を求めた訴訟で、
東京地裁は「処分後も授業をさせなかったのは、権利を不当に制約し違法」として、
大学に100万円の支払いを命じたとのことだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000091-mai-soci


もう時間が随分経つが、自分も過去に所属する研究室の上司がセクハラをやらかし、
大変な迷惑を被った。その時に色々な事例を調べる中で、このお茶大のセクハラ事件も
把握していた。その時の経験を含めてこの事件の感想を述べたい。


まず、この裁判官はセクハラの構図が良く理解できていないのではないかと感じる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000150-kyodo-soci
判決によると、大学はセクハラを理由に2001年2月、教授を停職3カ月の懲戒処分とし、
処分が終了した同年5月、教育活動の停止と大学運営の参加停止を命じる措置を決め、
昨年3月末まで続けたとのことだ。
これが処分が2重で不当だと言う教授側の主張だが、問題は女子留学生が、大学と教授に
賠償を求め提訴している点だ。4月に東京地裁は教授に230万円の支払いを命じ、
教授と女子留学生双方が控訴している。つまり現在も闘争中ということだ。


そもそも停職3ヶ月の懲戒処分は犯した行為を戒め、反省を催すという意味がある。
賠償請求や裁判が現在も闘争中になっているということは、教授側がこの件を
自分の悪行と認識できていないと考えられる。
もし、セクハラ行為そのものの事実関係に納得できないのなら、停職3ヶ月の処分に
異議を唱えるなり、この処分に対する不服申し立ての裁判を起こせばよい。
この処分を受け入れたのなら被害者に対しても、十分な反省と配慮を持って接するべきなのに、
そうなっていないというのは、停職後のこの教授の態度がさらに次のセクハラになり得ていた
と十分想像できる。
だからこそ、大学側も授業をさせなかったり、教授会に参加させなかったりする判断を
下したのだろう。


つまりこの場合、留学生に対するセクハラに対して、停職処分を受けた後の態度が、十分に
次のセクハラになっていたと思われる。
セクハラは受けた側がどう考えるかが重要だ。1度セクハラを行った人はそういう目で、
その後も見られるのでよほど注意が必要となる。にも関わらず、この教授にはそういった
反省や配慮がなかったのではないか。


自分の上司のケースも懲戒処分が決まった後に、反省を感じさせない言動を繰り返していた。
その中で、自分を含めラボの半分くらいの人がラボを去ることになった。ラボを去れば、
テーマの継続が出来ないため、出て行く人が不利である。
しかし、仕事する上で信頼関係は重要な要因である。上司を信頼できなくなったら、もう
その職場にいるメリットはないと思うし、そこにいてもまともな研究成果を上げることは
できないだろう。


セクハラやアカハラパワハラと大学関連機関には多くの問題点がある。
これまでは学生などの弱者が泣きを見ることになっていたが、こういったことは厳しく、
全体によって判断されるべきである。教授がトップ独裁の金正日体制ではなく、様々な
考え、得意不得意を持った人々の集団としてのチーム研究であることを認識すべきだ。