食品の品質

スーパーで生鮮食料を買ったは良いが、家で食べてみると極めて不味かった。
そんな経験はないだろうか。我々がスーパーで食品を選ぶ時、見た感じの品質と値段で
買うか買わないか決めるのではないかと思う。
この見た感じの品質とはかなりいい加減なもので、果たしてそれでちゃんと判断できているのか
疑問を感じないだろうか。
この「見た感じ」を逆手にとって売り手側は添加物を入れたり、照明の工夫で見た目を綺麗にしている。
はっきり言って騙しのテクニックを発展させてきたとも言える。


食の安全性が重要視され、食品(この場合は生鮮食料品)の産地・鮮度を含めた品質情報が
ますます要求される時代になってきた。
先の騙しのテクニックが使える「見た目」はあまりにも非科学的で客観性のないものなので、
もっと客観的に品質を議論できる指標がほしいわけだ。


自分は学生の頃、園芸学を専攻していたので、野菜や果物の品質をどう評価するかには
今でも関心がある。非破壊的(切ったりせず)に糖度や中身の濃さを計測する方法は
かなり発展してきているが、一般の人にはまだ良く知られていないようだ。


先日スーパーでカットスイカを購入したが、ちゃんと糖度が書いてある。
糖度は甘みを科学的に評価するものである。
当然高い糖度の商品を買おうとするわけだし、糖度が高いほど高い値段で売れるわけである。
しかし、まだまだこういった評価は糖度など限られている。スイカのおいしさは糖度だけで
決められるわけでもない。


自分はカニが大好きなのだが、これこそ見た目で判断するのは至難の業だ。
結局のところ値段相応のおいしさなのかも知れないが、高いカニでも不味いことはある。
産地金沢などでは足のもげたカニは味にかかわらず安値で取引されるらしい。
これを買い付ければ、安くても美味しいわけだ。消費者としてはこういうものを買いたいのだ。
カニの美味しさを評価する科学的指標など研究テーマはいくらでもあるし、これからの時代
考えなくてはならないことなのだ。


今日は毛ガニをスーパーで購入した。毛ガニはアタリハズレが激しいが、見分けのコツの
1つは大きさに対して重いことである。つまり肉質が濃いものが美味しいとされる。
売っているパックの手にとって、明らか重いものがあったので、迷わずそれを買い。
1匹680円。家に帰って食べるとナイス選択。非常に旨かった。
まあ、軽そうなものも同時に買って、食べ比べない限り科学的には、この選択が正解かは
分からないことではあるが。