植物ホルモン

今日は真面目な、学術的な話。
人間にとってホルモンの分泌は体の維持や、体調の制御にとって極めて重要なものである。
高校の理科や生物の教科書にもそれなりの量、記載されている内容でもある。
同様に植物にとってもホルモンは重要である。


植物のホルモンには、
1.オーキシン
2.サイトカイニン
3.ジベレリン
4.アブシジン酸
5.エチレン
6.ブラシノステロイド
がある。


自分のような植物の生理現象に感心のあるサイエンティストにとって、これらの物質が、
どうやって、植物の生長や制御に関わっているかが、感心なのである。
なんでもそうなのだが、一般にある物質が重要な機能を担う場合、
1.その物質の合成
2.その物質の一定量の維持
3.その物質の受け止め
4.その物質があることの認識と情報伝達
5.一連の遺伝子発現の変化
この流れによって、様々な現象がおこるのだ。


この中で、その物質の受け止めに関わる物質のことをレセプター(受容体)という。
人間でインシュリンレセプターというのがある。血糖値を下げる働きのあるインシュリン
この物質と結合することで、インシュリンが来たぞということを認識し、その信号が、
血糖値を下げるために遺伝子群の発現を増加させたり、血糖値を上げるために遺伝子群の
発現を低下させたりするのだ。それによって血糖値が下がり、我々が、インシュリンを摂取すると、
血糖値が下がるという「現象」が起こることになる。
このレセプターに異常があると、インシュリンがあっても血糖値が下がらないという、重篤
病気になる可能性があるということだ。


植物でも同様にこういう受容体があるのだが、その実態についてはまだ良く分かっていないもの
も多い。
その中で、名古屋大の松岡教授のグループがジベレリンのレセプターを明らかにした。
この話、前から知っており何時、論文になるのかと思っていた。この内容をいずれ詳しく
書きたいと思う。