姉歯問題

姉歯秀次1級建築士による耐震データ偽造問題。時間の経過と共に全容が明らかになりつつある。
自分が当初考えていた以上に、業界の一部が腐りきっているようだ。
いまさら言うことでもないが、単に一人の建築士による捏造ではないということだ。
構造計算書の偽造を見抜いた複数の設計事務所が「日本ERI」「木村建設」「総合経営研究所
に通告していた。しかしこれらは生かされることなく、イーホームズの藤田社長が言う
「隠蔽」によって、事態をより深刻にさせてしまった。
まあ、木村建設などが実のところ最も悪く、姉歯に偽造を強要していた可能性も指摘されている。
日本ERIのWEBサイトを見ると面白い。「隠蔽発言」に対して民事・刑事両面で
告発・告訴を検討とある。一方で「隠蔽発言」以降、偽造に関する情報公開が頻出している。
また、当初姉歯事務所が関わった物件数が、どんどん増加している。
http://www.j-eri.co.jp/
意図的な「隠蔽」かどうかは後でなんとでも言えることだ。この状況下では裁判しても、
「隠蔽」と感じさせる相当の理由があったということで到底勝ち目はないだろう。


ちょうど風邪で休んでいたので木村建設ヒューザー社長の出た、国会の答弁を聞いた。
ヒューザーの社長などとてもまともな商売をやって来たとは思えない種類の人間だ。
実際経歴を見てもそのようだ。木村建設は黙秘しているのと大して変わらない答弁。
結局のところ木村建設を中心とする、「安かろう悪かろう」の部分の「悪かろう」を隠して、
商売したに過ぎない。そう言う中で、粗悪に安く仕上げる「職人」たちが集まった集団
だったということだろう。
よって今回の事件は関わっているところすべてに大きな責任がある。木村建設は破綻。
他の元々の資産規模の小さい所は破綻するだろう。上場しているシノケンや日本ERIは
今のところ破綻まではいかないだろうと見る株価の推移である。
今後はこれらの企業の資産の隠蔽や、ロンダリングが行われていないかを、厳しくチェック
することが重要だろう。
こういった詐欺的行為に対する法律上の刑罰は軽い。もっと厳罰化する必要があるだろう。


マンションを買ってしまった住民やホテル経営者。だれが今後補償するかが焦点となる。
国や自治体にも一部責任はあるのだろうが、不足した経費を国が出すべきという考えには、
自分は賛同しない。「小さな国家」を目指すためには責任者負担の徹底が重要だろう。
第一、国が負担すると言うことは自分を含め、国民が負担すると言うことだ。
こんな汚れた業界の責任に対してなぜ自分が金を出さないといけないか、納得できるわけがないだろう。