取り違え

香川県立中央病院での受精卵取り違え問題。
http://www.asahi.com/national/update/0223/OSK200902230038.html
自分のような基礎科学の分野でも実験でサンプルを取り違えるとか、入れる試薬を
間違えるというのは間々ある話だ。慣れてくるとそういうことはますます起こりやすくなる。
実験をする時は集中して・・・など、基本的なことは当然ではあるが、そうは言っても
根本的解決策となると難しい。
自分の場合は一連の操作は必ずセットで行うことと、自分の操作パターンをいつも
同じにしておく、例えば必ずサンプルは左上のものから扱うとか、作業し終えたものは
別の区画に移す。
こうしておくと、取り違えた後の、配置が本来ありえない配置になっているわけで、
そこで少なくとも取り違えに気づく訳だ。今回の問題もそうだが、最終的に気づかなかったら、
どうなったのか考えると恐ろしい。


今回の件は取り違いと判断した経緯が不明なのだが、本来このペアの受精卵で順調な
胚の生育が見られたこと自体が可能性低いものだったのかなと思う。でないと、
記事を読む限り正しい胚を移植している可能性も十分あるわけだ。
本当にこのペアのものでないという検査の是非を説明せず、次のステップを急いだことを
含め、この件は十分な経緯を調査する必要があるだろう。
折角の先端技術がこういうことによって、行うべきではないなどという風潮が生まれる
のが一番懸念される点と考える。