再生医療

iPS細胞を用いた網膜の再生医療
医学技術が発展するのは好ましい事だし、根底に生物学の発展があるので人間の叡智を
実感できるものでもある。
ただこの分野、果たして万人が享受できるような一大医療になるかと問われると
なかなか厳しいものを感じる。
ヒトゲノムが個人レベルで解読できるようになり、個人レベルでの病気のなりやすさ、
薬の効きやすさ、もっと言うと将来、個人個人がどうなって死ぬのか、その確率を
順位付けすることさえできるようになってくるだろう。
そうなると、事前に個の医療としての治療は勿論、予防医学だって発展する余地が
生まれる。しかし保健医療で個の医療を充実させるのは無理だろう。
その時に、金によって寿命が延びる余地が決まって来るような時代が来るのだと思う。
そう言った社会が良いかは分からないが、個の医療というのはそう言うものだと思う。
今回手術を受けた70歳台の女性のような患者は何人くらいいるのだろう。
すべての人を治療して、さらにiPSで別の細胞も作製して、別の病気にも対処して
となるのが理想だが、医療費は持つのだろうかと感じる。