研究者の評価

最近、どこかの記事で女性研究者の研究費が男性より少なく、研究者の世界で男女差別が
問題だというような趣旨の記事出ていた。思い出して後から探しているのだが、見つけられない。
見つかったらまたリンクしておきたい(見つけました;3月21日)
http://www.asahi.com/edu/news/OSK200503160039.html


自分の職とも大きく関連しているのだが、独立行政法人化した大学や関連研究機関が
今度どうあるべきかは議論の的である。様々なサイトがあるようだ。
http://www.asahi-net.or.jp/~rj6y-nze/gender/references.html


ずいぶん前2月5日のブログにも書いたが、
http://d.hatena.ne.jp/cell2005/20050205
今日は研究者の評価と配分される研究費のあり方について書いてみたいと思う。
とはいえ、こんなテーマで真剣に書き始めたら楽に1万文字以上いってしまうので、
あくまで自分の考える要点のみ、一般人にも分かるように書きたい。


2月5日のブログにも書いたように大学での研究費は人件費と同じく、ほとんど国民の
税金から賄われている。
よって議論するまでもなく、その研究費は最も有効に利用することができる研究者に多く
配分されるべきで、有効に使えない人への配分は0円でも良いと言うことになるだろう。
(そんな人が研究者であること自身が問題なのだが・・・)
そこで次に問題になるのが、では研究費を有効に利用することができる研究者と、
できない研究者をどうやって判断するのかと言う問題である。
これが「研究者の能力をどうやって評価するのか」という最も大きな問題である。

様々な判断基準があると思う。例えば、
1.過去からの実績として研究成果を出しているか(論文や学会発表など)。
2.現在および将来、計画される研究内容が十分な成果をあげられると考えられるか。
3.独創的・未来開拓的研究能力があると考えられるか。
4.研究プロジェクトを遂行する上で、協力者と円滑におこなえる人格・能力があるか。
5.教育面で学生にとって魅力的な講義・研究テーマを感じさせられるか。
6.得られた研究成果を社会的に情報提供・情報還元できるか。
7.いわゆる弟子も優秀な研究者として、育て上げられる能力・資質があるか。

まだまだ、いくらでもあるだろう。
一見、1−3のみ重要なように思われがちだが、それは間違っていると断言したい。
なぜなら研究成果というのは点ではなく、線で繋がれていき、最終的には立体物となって
いくべきものである。いくら優秀な一人の人間が点をたくさん作っても意味は小さいのである。
これら総合的な評価をどうするのか極めて難しい問題である。


先にあった女性の研究費が少ないと言う問題に対して、あくまで自分は男女平等主義者で
あるつもりだが、自分の目から見て総合的に研究能力を判断してみると、極めて優秀な
女性も多くいるものの、平均的にはやはり男性に優秀な人が多いというのが実感だ。
だから記事の内容には基本的に賛同できない。
女性は子育て等で時間的に不利な側面はあるだろう。しかし、それはパートナーとなる
男性との問題でしかない。優秀な女性研究者にはパートナーも同職というのをよく見かける。
おそらく、男性側の協力が得られ、しかも互いに協力し合いお互いの研究能力を伸ばして
来た結果だろう。


客観的な研究評価法の確立。これが多くの研究者に納得され、客観的な研究費配分を
達成するために必要なことだと考える。