身を守る教養

鹿児島市の洞窟(どうくつ)内で中学2年生の男子生徒4人が一酸化炭素中毒で死亡した。
このニュースを聞いて真っ先に思ったことは、また車内で練炭を焚いて集団自殺したような
話かなと思った。
状況が分かってくるとどうも今回の件は事故のようだ。洞窟内で焚き火をすることに対して
なにも注意を持っていなかったようだ。


教育改革が再度叫ばれ出して、カリキュラムの再編成など行われているが、そもそもゆとり
教育の中で生活力を持った人間を育てるというのがあったはずだ。
生活力とは何かは難しい問題だが、自分は人が人間として社会や生活の中で身を守る知識・経験
だと思っている。
社会常識だの法律だの科学教養だの、金を稼ぐための知識経験よりもっと根底に人生を
守る知識・経験というのが必要だ。ゆとり教育というのはこういう能力を養っていくもの
だと自分は思っている。


さて、今回の中学生。物が燃焼する時には酸素が必要であることを知っていたのだろうか。
まず物が燃える時、酸素が必要で空気が滞っている場所で物を燃やすと我々人間が、酸欠
になることは中学生なら知っておかなければならないことではないか。
さらに、上記の知識はまだまだ不十分な段階だ。
酸欠になって生命の危機に瀕せられるのは、空気中の酸素濃度の低下のせいではない。
酸素濃度が低下した中での燃焼は不完全燃焼になり、それによって一酸化炭素が発生し、
一酸化炭素中毒が生じるからだ。空気中の一酸化炭素濃度が高くなると、その時点で
酸素が十分にあってもダメなのだ。


今の子供はこういう教育を理科の授業とかで受けることはないのだろうか。

次亜塩素酸系の漂白剤と酸性系の洗剤を混ぜて、塩素ガスを発生させ風呂場で中毒死した
主婦や、ウズラ卵をそのまま天ぷらにしようとして、爆発し大やけどをする人、
うっかりということもあるだろうが、少なくとの知識があれば防げる事故を防ぐ教育は
大切だ。


記事にもあるように学校での教育のみならず、年上の人からそういう話を聞ける機会が
減っているのも問題なのだろう。