バイオ関連情報の一般向け公開

6月1日のブログにも書いたが、我々サイエンティストが日々の研究の中で明らかにした
知見を、出来るだけ迅速に一般向けにわかりやすく公開することは、極めて重要だと考えられる。
http://d.hatena.ne.jp/cell2005/20050601


一応、その一端を担いたいと思っているので、今日はそんな試みとして、あるWEBサイトを
紹介しよう。
http://www.bioportal.jp/
日本語バイオポータルサイトとあり、バイオサイエンス系の色々な言葉の意味、
最新のトピックス、色々な検索サイト等がリンクしてあり、一般向け教育用に有用な物も
多くあり、自分がこれを用いて、さらに解説を行っても良いかなと思っている。


一方、実は自分もこういった一般向けサイトを作成するというプロジェクトの元、国から
研究費を貰っている。正直、このサイトは自分がどういうサイトを作成するべきかという
考案の中で、結構参考になるものと感じている。



自分はこれまで植物内に限られてはいるが、色々な分野を渡り歩いているので色々な雑学は
あるつもりだ。
現在の自分の専門は「植物のゲノム生物学」という分野。
色々な生物種で全ゲノムの配列が分かってきたわけだが、それを生物種間で比較したり、
その配列が何を意味しているかを解析する分野。
応用的には、微生物や植物に人間に取って有用なものを作らせたり、作物の成長をより安定的に高収量に
するにはどうしたらよいか改良したり、色々な変異(人間だと癌とに関わる)がどうして
出来るのか、どうしたら直るのかに迫ることが目標となる。


上記サイト内にあるイネの情報の1つ
http://www.bioportal.jp/columns/17/index.html
専門家から見れば内容は稚屈でもっと詳しい情報をと言うことになるが、一般向けには
十分勉強になるだろう。


このイネのプロジェクトに1つ苦言を言わさせて貰えば、このプロジェクトは多額の国民の
税金が投与されたにもかかわらず、成果は大したことがないと酷評されている。
一応、ゲノム配列は決定できだが、それが最終ゴールではないプロジェクトなのだ。
日本の農林水産省はサイエンティスト集団ではなく、行政者の組織的構成なので、
サイエンティフィックな仕事がしにくいし、優秀な人材が集まりにくいようだ。
本来、このプロジェクトを例えば、かずさDNA研究所のような実績のある専門者集団の
http://www.kazusa.or.jp/
いることろに任せていたら、もっと有意義な成果を多々出すことができていただろう。
科学振興行政上、大きな税金の無駄遣いがあったと自分は強く思っている。