タミフルはインフルエンザウイルスの持つノイラミダーゼを阻害する薬物である。
インフルエンザウィルスの分子生物学的一般知識をそのうち書きたいと思っているが、
ノイラミダーゼはインフルエンザウイルスの表面に出ているタンパク質で、ウイルスが
細胞から細胞へ移る段階に必要な酵素だ。よってこの酵素を阻害してやるとウイルスの
広がりは抑えられ、結果としてインフルエンザの症状が軽くすむというものだ。
以前はインフルエンザの治療薬はなかったわけなので、画期的な薬なわけだ。
その「タミフル」に関する２つのニュースが出ている。タミフルを飲んだ後に異常行動を
起こし、その結果死んでしまったという件。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051112-00000007-mai-soci
もちろん原因はまだ分からない。専門家の間ではインフルエンザ脳症の可能性を指摘して
いる人もいるが、患者の年齢が脳症としてはちょっと高いだろう。
元々タミフルの副作用の中に精神･神経症状があるので、抑制系の神経を抑制することで
「ハイ」な状況を作り出している可能性は十分あるだろう。
もう１つはタミフルの備蓄量を増やし、新型インフルエンザが発生した時に備えるということだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051114-00000069-kyodo-soci
前から言っているように新型インフルエンザの発生は時間の問題だと思っている。
早期にワクチンを作成できる技術やこれら治療薬を充実させておくことは極めて重要だろう。
さて自分や親族がいざその新型インフルエンザにかかった時、タミフルがないとか、一般
外来には廻せないとなると困ると思っている。
同じことを考える人は多いようで、ＷＥＢサイトで個人代行輸入で薬が買えるサイトを
当たってみると、ほとんど在庫切れになっている。
中にはぼったくりのような高い値で売っている所もある。これは極めて問題だ。
料金も先払いになっているのが多い。
予言しよう。先に金を振り込ませておいて、商品を送らない「タミフル詐欺」がいずれ出るだろう。
元々個人代行輸入で薬を売るのは問題にはならないのだろうか。ここら辺は法律に詳しくないのだが。
