村上ファンドの存在

村上ファンド」が大量保有していたTBS株。10月末までにほとんど売却していたとのことだ。
http://www.asahi.com/business/update/1116/003.html
いわゆる短期保有で高値の時に売り抜け、利益を上げる「サヤ抜き」というものだ。
この間、村上ファンドはTBSと楽天の統合に対し肯定的発言もあったことから、ここでの
「サヤ抜き」は意図的なものである疑いが排除されず、他の投資家にかなり不信感を
与えるものだろう。


村上氏はこれまで、「もの言う株主」として株主価値の向上を訴えてきた。利益の株主への
還元を促進したり、コーポレートガバナンスコンプライアンスに問題のある上場企業に
対し、提案や訴えを起こしたりしていた。それ自身、資本主義社会の中で株主が持つ
当然の権利を前面に出すものであった。当然これらは社会的な賛同を得られたものであったと思う。


「誰に批判されようとも投資家のお金を預かっている限り、増やすのが私の使命だ」
と言ってしまったが、それでは投機的なやり方も否定されず、社会的な賛同を得られないだろう。
問題はすでに「村上ファンド」というものの存在自体がブランド化し、村上ファンド
買っているというだけで株価が上がる状況になっていることだ。現在、松坂屋がそういう
状態になっている。こうなると、村上ファンドは何を買っても儲かることになり、それを
そのまま放置することは株式市場の健全性を損ねることになる。


村上ファンドに限らず、証券会社の奨励銘柄等、影響力の大きい組織の動きはそれ自身、
株価に影響を与える。こういったものは十分監視され、意図的な行為がないかチェック
されていなければならない。