ウサギ狩り部の医大生

宮崎大医学部の学生六人がウサギの死骸を解剖し、その様子を撮影した写真をインター
ネット上のブログでおもしろ半分に公開していたとのことだ。
命の尊さを冒涜する行為との批判で問題となり、結局、医学生の倫理観の欠如を理由に
停学処分となった。
まあ、当然だろうと言える。学生らは今回の件を楽しみながら行っている。まさに命の
尊さを冒涜と言えよう。これもゲーム世代の行動パターンなのかなと思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051212-00000075-nnp-kyu
教授会では退学処分にすべきとの声もあったようだ。しかし、大学の判断にもあるように
退学にしてしまえばそれでおしまいと言うことにもならない。今回の処分は最適なものだった
のではないか。そして、停学中にも数多くの宿題が課せられるらしい。小学6年の女子児童を
殺害した同志社大の塾講師。停学中の行動を大学側は全く監視していなかった。これでは
教育機関としてダメだろう。


話は少し違うが、自分も何年か前に実験がらみでウサギの解剖を観察する機会があった。
自分にとっては初めての体験だったのだが、はっきり言ってすごく良い経験をしたと思っている。
心臓・肺・肝臓・胃・腸・膀胱など教科書で見るだけのものが実際に秩序だって並んでいる。
当たり前のことだが、1つ1つの臓器はたくさんの細胞からなっている。それぞれの細胞が
それぞれの組織を作るために分化し、1つ1つの器官である臓器を作っている。簡素であり、
複雑な生命のすばらしさを体感した。
その時に思ったのだが、子供の頃、中学の理科の教科書とかにカエルやフナの解剖図が
載っていたのだが、自分は実際の解剖は授業でやっていない。おそらく先生がやりたく
なかったのだろう。
自分はそういうものこそ、学習の一環として子供のうちに観察しておくべきことではないかと
その時思ったのだ。このウサギの解剖に立ち会うまで生命の神秘を体感するチャンスが
与えられなかったわけだ。


今の学校の先生はどうなのだろう。解剖なんて残虐なことはもはや授業ではできないのだろうか。
今回の事件、医大2年生ならすでに解剖を経験したのだろうか。生命の尊さは感じなかったのだろうか。
それともまだ、そういう経験をしたことはなく、単に好奇心と医大生という自分がまるで
生命を操れるゲーム上のプリーストのような存在とでも勘違いしたのだろうか。