男女共同参画

名古屋大学が教員採用に関して新しい方針を打ち出した。
女性教員比率を上昇させるための方策として、全学の公募人事HPの冒頭に、ポジティブ・アクションとして、
名古屋大学は業績(研究業績、教育業績、社会的貢献、人物を含む)の評価において
同等と認められた場合には、女性を積極的に採用します。」との文言を掲示することを、
教育研究評議会で決定したとのことだ。
http://www.nagoya-u.ac.jp/info/PositAc051227.htm


自分は男女平等主義の考えを持っているつもりだし、また業績(研究業績、教育業績、社会
的貢献、人物を含む)評価において同等などありえるはずがないと思っている。
この方針がどのように利用されるかでいくらでも変わりうることではあるが、変な運用を
行えば、まさにこれは男女逆差別になりうるものだと危惧している。


むろん、大学教員に女性比率が少ないのは事実だし、女性サイエンティストにも優秀な
人はたくさんいる。すべてのケースにおいて職員採用には業績で客観的な評価をして
セレクションを行うべきである。評価を数値化すべきとも思っている。このケースは
同等の人物評価なので女性にしましたと結論が出たとき、第3者が公表された業績を見て、
なんでこれで同等なのかと疑問を感じるものであってはならないと思っている。


女性の社会進出においてはパートナーになる男性の協力は必須だ。
子供が熱を出した時に必ず休む。でもパートナーの男性は必ず出勤している。
これは本当の意味の平等ではない。むつかしい問題だが、子育て期の女性の職場進出には
職場全体の理解と協力も必須だ。
こういう方針は却って、一部の人から反感を買い、そういう協力を得にくくなるのでは
ないかとの懸念も感じる。
この名古屋大学の方針に対し、他大学も追随するのだろうか。