学術論文の一般庶民向け公開

日本の学術雑誌を過去にさかのぼって電子化し、27日からインターネットで公開すると
科学技術振興機構が発表したとのことだ。
http://www.asahi.com/culture/update/0325/009.html
ノーベル賞受賞対象となった論文なども見られるようになるとのことだが、はたしてそのままの
論文を掲載したところでどれだけの人が「見る」だろうか、ましてや「読む」となると・・・


学術論文には一般書物と同様に版権や著作権があるので、論文誌に掲載されるとその出版社の
所有となり、論文を書いた著者とて勝手に掲載はできない。自身のWEBサイトに自分の
論文を載せることはできない。むろん、インターネットはリンクすることができるわけ
なので、リンクを貼り付けておけば良いだけだ。リンク自体は認められているようだ。
まあ、巷にはリンクは許可しないなんていうサイトもあるが、これはトラブルが生じた時の
責任逃れのためのヘッジに過ぎない。よって、そのサイト運営者の気持ちを考えれば、
リンクは禁止ですと書くこと自体は否定しない。しかし結局のところインターネットなんて
リンクされて困るようなものを公開するところではないだろう。


で本題だが、上記の著作権等をなんとか解決して、学術論文をもっとかみ砕いて、一般
庶民向けに研究を公開することも極めて重要ではないかと思っている。ここで重要なのは
個々のデータはそのままちゃんと載せるということだ。どういう考えで実験を企画し、
そのためにどういう方法を使ったか、そしてどういう結果が出て、現在の一般知見と
照らし合わせて、何が新しく分かったのか。
そういうことを分かりやすく書いたものを作成してWEBサイト上に配る。単に学術論文を
公開するだけでなく、そういうこととセットにすることが重要ではないかと思う。
科学技術振興機構にはもう一歩考えてもらいたいものだ。