大阪大学で自殺者まで出してしまった捏造事件。教授が勝手にやった単独犯行だった
ということだ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060921i306.htm
http://www.asahi.com/science/news/OSK200609220087.html
教授が実験データを元に勝手に妄想を重ねて、次の仮説や次の実験を勝手に決めて
しまうということはよくあることだが、学生相手ならまだしも助手やポスドククラスの
人々にそれをするのは極めて失礼なことだ。
データを元にした今後の方針に関する議論は、データを出した本人と共におこなうのが
当然のことだと思う。
この大阪大のケースはそれをも通り越して、データを都合良く書き換えたあげく、
勝手に投稿してしまっているのだからすごい。投稿したあともやりとりや原稿校正などもある。
それも勝手に進めているわけだ。
こうなるとこの以下の人物は何時から、そしてこれまでどれだけこういうことをやってきた
http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/kg-portal/aspi/RX0011D.asp?UNO=10232&page=2
のかという点が注目なのだが、もう1報見つかったようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060922i101.htm
常識的に考えて、こうなるとこの教授がこれまでやった仕事はすべて無に、いやマイナス
のものであったと考えざるを得ない。2報で終わっているはずないと誰もが考えるだろう。
この教授は何のためにこれまで教授という職を勤めて来たのだろう。
どこからか捏造というものに対し全く神経が麻痺してしまったのだろう。
これから処分を検討とのことだ。定年を控えているらしいが、捏造はサイエンティストに
とって最も重大な背徳行為だ。不正経理などがよく問題にされるが、サイエンティフィックには
重要でないものも多い。公的資金を使って研究する以上、経理処理は当然国民に納得
されるものでないといけない。法令遵守すべきという問題。が、捏造は先に述べた
ようにサイエンティストの存在意義そのものを否定する行為なのだ。
よって今回の処分が仮に懲戒免職となっても、自分は重すぎるとは全く思わない。
もちろん下村伊一郎氏がわずか停職2週間で済んでしまった大学だ。
今回もせいぜい停職1−3ヶ月くらいで済んでしまうのだろう。が、今回のケースは
先の下村氏の問題が起きた後に、捏造していたわけだから意識としては、もはや救い
ようのないものという感じがする。徹底的に原因や動機を追及し、厳罰に処さないと
死んだ助手も浮かばれない。