ノーベル医学生理学賞

スウェーデンカロリンスカ研究所は、06年のノーベル医学生理学賞をアンドルー・
ファイアー・米スタンフォード大医学部教授(47)と、クレイグ・メロー・
マサチューセッツ大教授(45)の2氏に授与すると発表した。
とのことだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061002-00000123-mai-soci
内容はRNA干渉という現象の発見。
ある遺伝子の発現を抑える方法は色々あったのだが、短いRNAを与えた生物(ここでは
線虫というモデル生物が使われた)で、そのRNAの配列に対応した遺伝子を抑制する
ことが可能であることが示された。
自分が本格的に分子生物学の研究に関わった頃にはまだこの手法は発見されておらず、
アンチセンス法という別の方法で遺伝子の発現を抑制したものだ。
また植物の場合、あらかじめウイルスのタンパク質を植物に作らせておくと、
その植物がウイルスに耐性になる現象が知られていた。
結局、こういった遺伝子レベルでの発現の抑制には、RNA干渉という現象が根底に
存在していることが段々分かってきたのだ。
そして、まだこれらの研究は発展途中で、今後ますます基礎・応用ともに様々な驚くべき
事実が解明されるだろう。


ところでこのRNA干渉、日本で第一人者として挙げられていた(過去形)のが、
例の捏造事件で有名になった東京大学の多以良・川崎グループなのだ。
上記の記事にもそのことが記されている。
2003年11月の「日経サイエンス」誌にRNA干渉の特集が組まれており、すでに
ノーベル賞級の新発見と題されている。そしてそこにも多比良和誠の名前がある。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/item.php?did=55311
「小さなRNAの遺伝子とその標的を探せ」との題目だが、まさに川崎氏による捏造に
よって明らかにされた標的であった。
彼らにはこの偉大な業績を賞して「ノーベルお造り賞」を与えたら良いのではないか。