米国ばかりだったノーベル賞

自然科学系のノーベル賞。昨日の発表の物理学賞は米航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センターの
ジョン・マザー氏とカリフォルニア大教授ジョージ・スムート氏。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061004-04750247-jijp-int.view-001
そして今日発表の化学賞は医学生物学賞とほとんど区別がつかない分野からの受賞と
なったが、米スタンフォード大教授のロジャー・コーンバーグ氏とのことだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061004-00000094-mai-soci
結局、今年の自然科学系のノーベル賞受賞はすべて米国で仕事をしている人になって
しまった。生粋の米国人なのか、移住したのかは分からないが。
自分としてはこれは面白くないし、日本国としてはもっと何とかしないとと考える
べきことなのかもしれない。しかし、ノーベル賞なんて所詮杓子定規のない賞なので、
受賞テーマに何を選ぶかでかなり広い範囲の候補から選ばれるものなのだろう。


ところで自分の無知を晒すようだが、このロジャー・コーンバーグ氏というのを知らない。
普通のYahoo検索しても父親のアーサー・コンバークばかりかかってきて、本人が
どういう仕事をしているのか分からない。
「真核生物の遺伝情報の転写に関する研究」だそうだが、これだけでは何も分からない。
http://www.asahi.com/international/update/1004/019.html
まさか父親のコネで2世議員みたいなものかーと思ったが、ちゃんと色々と調べてみる。
PubMedというのが論文を調べるのにもっともよく用いられているが、Roger D. Kornbergで検索してみると、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgidb=PubMed&cmd=search&term=Roger+D.+Kornberg
いくつか出てくる。なるほどこういうことをやっている人だったのかといった次第。
真核生物(DNAが核に収められている生物で、酵母より高等な生物)の転写は、
原核生物(DNAが細胞内にそのままで存在している生物でバクテリアなど)の転写に
比べて遙かに複雑だ。それに関わる多くの因子や、DNAの構造(クロマチン構造)を
決める多くの因子に関わる仕事ということなのだろう。まあ、この分野には多くの人が
研究に関わっており、この人が特筆すべき業績を上げていたのかは恥ずかしながら
知らなかったのだ。