紅白の視聴率

年末の紅白歌合戦の視聴率が出た。例えば、関東地区だと前半は30.6%、後半は39.8%だそうだ。
詳しくは元データがあるここ。
http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/01kouhaku.htm
去年はミノ効果による上乗せがあっただろうから、今年は史上最低を更新かなと
思っていたのだが、全国的に一昨年よりは良かったようだ。これは自分としては
予想はずれ。見た感じ面白みが低く、今年は視聴率低いぞと思ったのだが。
しかし、この視聴率、ビデオリサーチのサイトを見てみると、なんだこんな程度かと言うことができる。


サンプリング数が少なすぎるのだ。現在の数だと、サンプリング数の多い関東・関西・東海
地区でも600世帯。少ない札幌・仙台・福島その他などは200世帯。
そして、仮に視聴率40%だとすると600世帯サンプルの地区で±4%、
200世帯サンプルの地区だと±6.9%の誤差が95%有意水準であるのだ。
これは例えば札幌地区で視聴率40%だと公表されても、33.1%ー46.9%の
範囲に95%の確率で入りますというだけのことで、残りの5%はその範囲にも
入らないということだ。統計的な意味としては、33.1%と46.9%の差は
あるとは言えないということになる。となると、年ごとに視聴率の推移を議論すること
自体意味がないわけだ。多くの地域・時間帯で、一昨年・去年・今年の差は5%もない。
それらの違いは統計学的にはないということだ。
http://www.videor.co.jp/rating/wh/07.htm
ビデオリサーチのサイトには色々とちゃんと説明されている。サンプリング数を増やす
コストを考えると、現状が限度のようだ。こういうものをちゃんと理解して視聴率と
いう数値を考えないといけない。


ところで紅白の「裸」問題。YouTubeにはその録画ファイルが公開されている。
http://www.youtube.com/watch?v=VD88vyrtvEU&NR
著作権もあったもんじゃないが、まあその件は置いておいて。
いまさらテレビで裸が映ったからどうだいう時代でもないだろうと言うのが率直な感想だが、
NHKの場合はそうはいかない。
真相はどうだか分からないが、NHKが知らなかったというのはいくら何でもない
と思うのだが、本当に知らなかったとしたら、その方がよほど問題だろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070103-00000026-dal-ent
視聴率稼ぎに盲目的であった確信犯だったようにも感じる。


文科大臣までコメントをしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070106-00000014-san-soci
「国民の税金に類するもので運営されているわけだから、お互いに自制心をもってやる
ということだろう」と述べ、品性を欠いた放送について自粛を促した。とのことだが、
この発言はちょっと疑問。というのは、NHK受信料は税金に類するものではないはずだ。
全くの自由意志による契約の遂行のみで運営されるものだろう。結局、政治家に
NHKは国のものという考えがある証拠だろう。NHKは未払い者に対し、強攻策を
取るようなので、いよいよ今年はNHK受信料問題が司法の判断を仰ぐステージに
入ってくるのかなと思う。ちゃんと三権分立した判断が下されれるなら、現在の
「テレビを持っている家庭は無条件に支払い義務」という放送法32条は、
当然憲法19条(思想及び良心の自由)および憲法29条(財産権)に対して違憲
疑いが示されるだろう。