納豆問題

一昨日に続いて、またフジテレビの納豆捏造問題。
どうも、自分が感じている問題点と世間の論点が異なっている。確かに今回の捏造は
1.やってもいない実験の図があること
2.言ってもいない学者の発言が述べられたこと
この2点は「捏造」そのものであり論外である。打ち切りを含め検討などという
状況でなく、打ち切り確定なのだ。
しかも、この作成会社「日本テレワーク」には前科がある。こんなところに番組作成を
依頼していること自体、フジテレビ系列の責任は重い。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070122-00000199-jij-soci


この正真正銘の「捏造」が大きな論点となってしまっているのだが、繰り返しになるが
問題点はそれではない。
仮に実験を実際していたとしても状況は大してかわらないのだ。こういう番組では
例えば、納豆を食べた人3人、食べてない人3人とか、その程度の人数しか調べていない。
これで食べた人の値が食べてない人の値より健康的な値になっても、統計的に何も
言えないのだ。
こういう実験の場合、他の要因の考慮、必ず差の出る食べ物、必ず差が出ない食べ物を
食べさせた合計5グループは必要だ。しかも被験者に意識を持たせずに、もちろん
これを食べるとやせますよ等と、初めから教えたら全然ダメだ。
人数は各グループ数十人は必要。となると全部で100余人の被験者が必要なわけで、
番組を作る経費からすると到底不可能だろう。
だから、一昨日も書いたように、フジテレビはお笑いを中心とした娯楽番組だけやって
いればよい。視聴率稼ぎに「エセ科学」に手を出すべきではないのだ。
この手の番組NHKのためしてガッテンも同様に問題がある。
http://www.nhk.or.jp/gatten/
そこらへんをもっと良く吟味しないといけないのだ。


今回の問題が明らかになった後も、フジテレビのお偉方は「納豆にダイエット効果が
あるという学説はちゃんとあるので、あながち嘘ではない」などと宣っている。
学説など様々あるわけで、学説がある=正しいという論点が全然間違っている。
はっきり言って学説などマイナーなものを探したらどんなものだってあるだろう。
○○大学教授と言ったって、だいたいこういう人は年配者で明らかに古い説しか
知らない人も多い。全然当てにならないのだ。


今回外国の学者に嘘の日本語訳を付けたわけだが、自分も英語はなかなか聞き取れないが、
それでも、テレビの日本語訳などを聞いていると、全然言っていることと違うじゃないかと
思う日本語訳や、おいおいもっと色々と言っているだろうと思うようなものもある。
こういうものを英語を流しているのであれば、正確に伝えることはマスコミの義務だろう。
多くの点で、今回の問題は「マスゴミ」といわれる汚点を露呈したものだと思っている。