仕事の進展

最近はちょっと今までと違う方向へ仕事が進展して、なかなか楽しみな気持ちである。
自分が注目している遺伝子が生物のどこの場所で、どの時期に、どのくらいの強さ
発現しているか分かるような仕掛けをしたのだが、それがうまく働いている。
しかも、なかなかレアな条件でその遺伝子が発現していることが分かってきた。
レアな条件で発現するということは多くの場合、そのレアな条件になった場合、非常に
重要な役割を担う遺伝子であることが期待されるのだ。


それで、そのレアな条件というのを、もう少しじっくり観察して、極力絞り込んで
いきたいのだが、その時にとても重要な実験機材が顕微鏡。顕微鏡もピンからキリまであり、
おもちゃの数万のものから、数千万、いや億に近いものもある。むろん、そんな高いものは
多くの目的には不要で、要は自分の実験の目的さえ果たせればそれでよいのではある。
が、今の在籍ラボは元々この顕微鏡で生物を観るという部分のプロがいなく、顕微鏡も
まともなものがない。まさに、学生時代に大学の学生実験で使っていたレベルの
せいぜい10−30万円程度のものしかないのだ。自分も顕微鏡に関しては、とても
プロとは言い難いが、それでも過去それなりに生物組織を観てきた。
その観点から考えるとさすがに、色々な意味で不満が高まるのだ。プロがいないとは
怖いもので、顕微鏡が西日の当たる場所に置いてある。当然熱で光学系が痛むだろうし、
何よりそんなまぶしい場所で試料などをちゃんと観察できるわけもない。色々、なんとか
したいと思うのだが、言い過ぎてもしょうがない。


色々なラボを転々としていると、ここはこうした方が良いのにと思うことはいくらでも
思い浮かぶのだが、古くからそこにいる人に取ってはそれが当たり前で、それがベストだと
思っていることも多く、中々お互いが納得するのも難しいものだ。