二世議員と天下り官僚

参議院選挙。最近はあえて選挙結果を見なくても、事前の予想がだいたいその通りになる。
それだけ事前調査が行き渡っているということだろうが、先に結果が報道されてしまう
のもどうかとも思う。この報道を自身の投票の参考にする人もいるのだろう。
出口調査などで、ちゃんと答える人が多いのも不思議だ。誰に投票したかは個人情報だ。
そんなことを易々とマスコミに良くしゃべるなあと感じる。自分なら「なんであんたらに
言わなくてはならんのか」と一蹴するだろう。


失言や年金問題自民党にとって逆風だったのだろうが、今ひとつ争点が明確にならなかった
選挙であった。年金問題は現在の政権の責任ではあるまい。失言等は安倍総理の任命
責任となるのだろうが、結局敗因は小泉政権から変わって、国民の多くが小泉マジック
から醒めたということなのだろう。自分のように初めから小泉マジックにかかって
いない人間からすると、今回の自民党の大敗がちょっと理解しがたい感覚がある。


自分が安倍政権を支持しない理由は、自民党政権だからとかそういうのは置いておいて、
ずばり安倍総理二世議員だからだ。
今回当選した民主党議員の中にも二世議員が多い。二世議員は自分の努力・能力だけで
当選しているわけではない。また、子供の時から恵まれた環境で生活し、恵まれた
教育サービスを受け、とりあえず、議員として人の上に立つ使命を受け入れるように
育てられたわけだ。これぞ格差社会の典型的存在と言えるのではないだろうか。


二世議員天下り官僚は共通しているものがある。両者とも過去に築き上げられた
「城」を持ち、その「城」が産出する「資材」を持って、仕事を優位に進めることができる。
また、支持者はその人を持ち上げ続けることで、甘い汁を吸い続けることができる。
これぞ天下りを受け入れる組織と、二世議員への引き継ぎを推奨する後援会と共通
したものであるだろう。
天下る官僚とそれを受け入れる組織。二世議員とその誕生を目指す後援会。
いずれも、一般世間からはかけ離れた世界である。その世界の中で、重要な国策が
作られ決められていく。より格差が大きくなっていくのは当たり前のことだろう。