今年も不満の人事院勧告

今年も人事院勧告が出る季節が来た。毎年このブログにはその内容について文句を
書いているのだが・・・
今日はまず初めに社説に載っていた内容に関して、


自分は中日新聞を購読しているのだが、9日付けのその社説の内容が酷すぎるのだ。
以下なのだが、
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2007080902039702.html
事実の列挙は正確であるのに、主張のつながりに全く論理性がなく、無理矢理
公務員批判にもっていく論調だ。


国家公務員は労働基本権が制約されている。その代償措置として国家公務員法などに
基づく人勧制度がある。
→その通りである。と言っておきながら、その当然守らなければならない公務員の
権利を全く無視して、話を進めている。


国家公務員の年収は一九九九年からずっと減額・据え置きが続いてきた。一方、
民間給与は今春闘で大手・中小とも賃上げが実現し順調に増えている。公務員給与は「民間準拠」である。
→その通りだ。ならば勧告で引き上げは当然となる。ところがその後の論調は、
完全実施は問題だとなっている。文章のつながりがおかしい。


国も地方も財政は膨大な借金を背負っている。企業ならとっくに倒産だ。
→その通りだ。しかし、ここまで財政赤字を積み重ねたのは個々の公務員の責任ではない。
主に票田に金を無駄にばらまいてきた政治家の責任だ。
経営が傾いている会社ならまず真っ先に経営者側の責任が問われるのが当然だろう。
明らかに論理がおかしい。


もっと根本的な問題として民間給与の低さがある。
→この手の論理は都合の良い統計データを使えば何とでも言える。
国税庁の民間給与実態調査はパートや派遣社員も含んでいる。それらを加えれば
数値はいくらでも下げられる。
そもそも「民間準拠」の根底の考えがおかしい。単に給与の数値を合わせることではなく、
職歴・学歴・職責・能力これらを揃えて、民間準拠ということだ。
ここでの数値の比較に意味がないことは明確だろう。


高額な退職金や天下り先の収入を含めた生涯賃金の多さ、失業の不安がない身分保障など、
公務員は現代の“特権階級”と批判する声は根強い。
→書いている記者は知っているはずだ。このような公務員はほんの一部。
身分保障に関しても、郵政民営化・国立大学の法人化・社会保険庁の民営化等、
身分保障はされていない。明らかに間違った記述だ。


これが客観・公平である新聞記者の書く内容かと思う。社説を書く新聞記者が
どのくらい年収を貰っているかご存じだろうか。
社説はある程度古株になって現場を離れた人が書く。
年収は1000万円は下らないと言われる。人事院勧告に対する、この手の記述は
過去使い古されているし、こんなショボイ文章を書く程度の記者でもそのくらい
貰っているわけである。特権階級は御自分だろう。
公務員たたき。公務員受難の時代だと感じる。


人事院勧告に関しては今後の機会があれば、何回かに分けて意見を述べていきたい。