名古屋コーチン

食品偽装問題の話をもう一つ。ここ数日の報道で何とも納得しがたい報道が名古屋
コーチンの偽装問題。元々、農水の研究所がやった学会発表で名古屋コーチン
遺伝子型が合わないものが2割あったとかが疑惑の始まり。その後の再調査では
明らかに偽装と考えられるものは見あたらなかった出ている。
が、その後、この明らかな偽装というのは少し遺伝子型が合わなかったものは
除かれているということが分かり、やはり偽装があるのではとの疑惑が再燃。


状況のタイムロードを取って感じるのだが、そもそも根底に何を持って偽装とするか
の定義がないから、なんとでも解釈できてしまうのだ。
この場合、飼っている鶏の集団が違えば、遺伝子型が完全一致しなくても問題ない。
むしろ、遺伝子型が合わなかった時に、ではその鶏の品種は何だったのかが分かれば
てっとり速く、その品種に偽装されたと分かるのに、そういう話もない。
農水の研究成果の学会発表から再サンプリング調査にはタイムラグがあり、
この間に偽物が隠蔽されてしまっている可能性も指摘されている。
しかし、冷凍保存されているものとかないのだろうか。


どこまでの変異が飼育や繁殖における自然変異で、どこまでの変異が異品種の混入と
定められるか。その部分の説明がない限り、マスコミ好みの何でも避難に終わってしまう。
ちゃんと科学的に調べて、その情報を報道してもらいたいところだ。


しかしこの問題。名古屋コーチンの遺伝子検査を愛知県は農水省に委託しているという
から呆れる。愛知県には立派な農業試験場があるし、そこに高い給与をもらっている
研究官がいるのではないか。自分は農学系で愛知県上級職員もなることができたのだが、
やっている実験の質は今の職の方が遙かに高レベル。
しかし、給与は農業試験場に勤める人のせいぜい7割程度だろう。遺伝子鑑定も
できない県の農政が、名古屋コーチン問題に対して何もできないもの致し方ないだろう。
ブランド云々を主張する以前の問題に感じる。