判決

98年7月に和歌山市で起きた毒物カレー事件で、殺人罪などに問われた林真須美被告。
想定通り、上告は棄却され死刑判決が確定した。当然かつ妥当な判断だと言える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090421-00000025-maiall-soci
今回の件は様々な角度から捕らえることができるものだったが、自分が最近、非常に
違和感を感じるのは加害者側の感情をマスコミが全面に出しすぎる点だ。被害者の
心情に対してマスコミが敏感になったせいか、最近被害者を追い回さず、加害者の
主張を報道する姿勢が多くなっているように感じる。
この林真須美被告の場合も、日曜日に新聞にでかでかと自分はやってないのに、
死刑になるはずがないなど、好き放題言っている。記事によるとマスコミが
拘置所での面会許可を得てのインタビューのようだが、今回この林真須美の放言を
聞いて、確かに直接的な証拠はないんだなあと納得してしまった人が多いのではないか。
世間の反応を聞いてもそういうことを言う人が少なくない人数いるようだ。


しかし、彼女を取り巻く状況証拠は真っ黒だ。むろん、それとてマスコミのフィルターを
かけられているわけだし、家にあった亜ヒ酸が混入された亜ヒ酸と同一と言っても、
Spring8での生データを見たわけではないし、見方の説明を受けて自分自身が
なるほどと納得しているわけでもない。製造方法やロットによってどの程度違うかの
知識もない。しかし裁判所が認定しているからには、報道されている状況以上の
状況証拠があるわけで、それらを全く無視した週末のインタビュー記事だったように感じる。
今日は早速、冤罪だからすぐに再審請求するだとかのコメントが報道されている。
すでに、これで死刑は確定したわけで、昔の冤罪事件でよくあったとされるような
自白の強要があったわけでもない。
仮に被告が死刑を逃れるために、戦略的に失敗を言うとするなら、一審で黙秘をし
続けたことだろう。これとて自業自得だ。むろん、自分がやったから言い訳できず、
黙秘したと考えるのが妥当だろう。
いずれにせよ、もうこれですべての審判は終了したのだ。
再審請求が死刑執行の時間稼ぎに使われるべきではない。